お尻と愛情

私の癖は、尻をさわることだ。

はっきり言って女の尻には興味がない。
さわるのは男の尻。

だからと言って、誰の尻でもいいわけではない。

ただ、一番身近な男、
パートナーのまーくんの尻だ。

 

野球選手によくある、
大きく分厚い硬く引き締まった
主張たっぷりのお尻ではない。
(まぁ、それはそれで魅力的だが・・)

 

まーくんは、小さめの可愛い尻をしている。
まーくんは学生時代野球をやっていた、
にもかかわらず…なのだ。

 

尻にも性格があるかのように、
横にもでしゃばらず、存在感を誇示せず、
主張強く突き出すこともない。

 

とにかく、とにかく控えめだ。

 

そして、この世のすべてが許されるのでは…
と思えるほどの至福の柔らかさである。

 

尻にも持ち主の性格が出るんだろうな、うん。

 

ときにその控えめで柔らかなマシュマロヒップは、
まーくんがかがんで本棚の一番下から
本を取ろうとすると、
頰を赤らめてはにかむ女子のようにこちらを見つめる。

 

「触っても・・・いいですよ?」
と言ってくれているようだ。

 

そう解釈する私は、
目の前に突き出されたその尻を
さわるしかないであろう。

 

朝、コーヒーを入れるマグカップを取るとき、
着替えのスボンを履くとき。。

 

チャンスはいくらでもやってくる!
そんな愛おしい尻をさわらずにいられるか!バッキャロー!

 

触るのは私が悪いわけではない。
可愛すぎるから仕方がないのである。
隙あらば、さわってしまう。

 

この癖はいつからだろう。
気がつかないが、昔お付き合いした人の尻は
無意識にさわっていた記憶がある。

 

そう、無意識に。気がつくと、である。
目の前にあると。
それは気を許した人、
身近な人であればあるほど、無意識に手が伸びる。

 

高校生だった甥っ子の尻を
鷲掴みにしてさわったときは
「この!ど変態が!」と罵られたっけ…。

 

実際に、駅の階段を昇りながら、ふと顔をあげると
私の目の前にピタピタのスラックスを履いた小尻の
男性がいたことがあった。

 

一瞬、「わ!まじか」と胸が高鳴ったのを
覚えている。
しかし、だからといって手を伸ばしたりはしない。

それをやってしまったら、痴女だ。変態だ。
鉄道警察に捕まってしまう。

 

その辺はわかっている。
そう、誰かれ構わずではないのである。

 

これは私から愛する人への
愛情表現だからだ。

 

まーくんと付き合い始めの頃、
やはり無意識にお尻をさわっていた。

 

家の中では「え?なになに?」と
笑ってくれていたので
完全に「お触りOK」の許しが出たと思い込んでいた。

 

そこで調子に乗ってしまうのが
わたしである。

 

とある日、地下鉄のエスカレーターに乗りながら、
やはり無意識にさわっていた。

 

そのときのまーくんが放った言葉と
表情を今でも覚えている。

 

「公衆の面前でやめて!ほんと、嫌!」と。

 

ふだん、仏かまーくんかというくらい
穏やかな表情が、険しくなり紅潮している。

 

そんな表情見たことなかったので
「あ、やべ」と心から反省。
と同時に、「あ、もうサワレナイ」と悲しい気持ちも
入り混じり、ちょっぴり泣きたい気分だった。

 

今思えば、泣きたいのは
公衆の面前で辱めにあっている
まーくんなのだ。

 

しかし、そんなことが
ありながらも、懲りないのが私である。

 

そのときの言葉を忘れてはいなかったが、
ほとぼりが冷めたかな?という頃に
また自然と当たり前のようにさわってしまうのだ。

 

なぜなら、これが私の
愛情表現だから。

 

初めの頃は本当に嫌がっていた
まーくんだったが、今では、
お尻のシルエット丸出しの細身のブラックデニムを
自らチョイスし、履きながら
「かえさん、好きでしょ」と言ってくれる。

 

そう、まーくんは
思慮深く、相手の気持ちを慮る人間。

これが愛情と理解してくれているようなのだ。

 

まーくん曰く、
「だって、本当に嬉しそうな顔してさわるから」と。

 

まーくんは私が楽しそうに
笑っているのが好きらしい。

 

まーくんは尻を差し出すことで
私は喜び笑顔となる。

それを見るまーくんも幸せになる。

 

うん。WINーWINだ!なんてハッピーなんだ!
こうやって幸せは回っていくんだな。

 

そして、まーくんに私からできる心遣いは、
上りエスカレーターの反対側に人がいないか、
後ろに人がいないかどうかを
きちんと確認してからさわってあげることである。

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